コラム

配給会社?自主配給?/配給会社の役目や仕事内容の他、有名会社から小さな会社まで、名称&代表作一覧

配給会社 自主配給 疑問

こんにちは。CINEMA-LIFE管理人の乙花はるです。

今回のコラムのテーマは「映画の配給会社について」です。

少し前まで配給会社なんてものには興味もなかったのですが、こうやって映画ブログをしていると配給会社にも注目するようになり、なぜか自分が好きな映画がある配給会社に偏っていることも判明しました。

まずは第1弾として、「配給会社とはなんなのか」「配給会社の役目」「メジャーな会社・マイナーな会社」「新しい配給会社」などに注目してまとめました。

第2弾は、各配給会社の特徴を過去作品を交えながら考察していますので、ぜひご覧ください。

※第2弾準備中

 

この記事で分かること
  • 配給会社とはなんぞや
  • 各配給会の仕事
  • 配給会社の収益
  • 自主配給について
  • 大手配給会社一覧
  • 中堅配給会社一覧
  • 独立系配給会社一覧
  • 新しい配給会社一覧

配給会社とは

配給会社とはなんぞや

映画の配給会社は、超簡単に言うと☟

 

「製作された映画を映画館で公開したりDVDを発売したりする会社」

 

映画の製作会社と配給会社は切っても切れない間柄で、映画産業において「製作」「興行」「配給」が3大業務となっています。

  1. 製作
    • 読んで字のごとく、映画を製作する会社。
  2. 興行
    • 上映される映画に対して集客やイベントを開催する会社。この場合、主に映画館や劇場。
  3. 配給
    • 「製作」と「興行」を繋ぐ役目を担う会社。

配給会社は映画を世に広めるために非常に重要な役割を担っていて、映画館での上映やDVDの発売、国内だけでなく海外の映画を買い付けて日本で上映したり、個人が製作した映画を扱う場合もあり、映画産業における様々なセールスを手掛けています。

 

個人や学生グループが製作した映画を製作者が映画館に売り込み上映にこぎつける・・・このような場合は自主配給と表現することもあります。

自主映画と自主配給については、もう少し下で説明しています。

 

製作された映画は、最初は製作された国の配給会社を通して自国で上映されますが、人気に応じて世界各国で上映されます。

他国で上映される場合はその国の配給会社と契約(主に権利の売買契約)を交わして上映に至りますが、例えばワーナーブラザース・ジャパンやウォルト・ディズニー・ジャパンは、アメリカの配給会社の日本支部のような存在で、各国に支部がある大手の配給会社は映画の製作にも携わっているので、そこで扱われる映画の配給が自国と他国で異なるということは基本的にありません。

 

とはいえ、他国に支部のない配給会社がほとんどで、配給会社によって扱う作品(買い付ける映画)には様々な特徴があり、その特徴を売りにしている会社も多く存在します。

邦画のみ、洋画のみ、超大作、時代もの、B級映画、自主映画、アニメなどなど・・・。

この特徴については、各配給会社ごとの特徴をまとめた記事「映画の配給会社の特徴を過去作品を交えながら考察してみた/アルバトロス・東宝東和・ワーナー・ギャガなど」をご覧ください。

邦画と洋画では扱いが異なる

日本で製作された映画を日本で公開するために配給会社を利用する場合、配給会社は製作者と興行部門の橋渡しをするような存在で、その契約は委託となることがほとんどですが、海外の映画の場合は全く異なります。

海外で製作された映画を日本で扱う場合、劇場公開権・テレビ放送権・2次3次利用を含むビデオグラム化権など、様々な権利を海外の製作会社または配給会社から購入しなければなりません。

買い付けられた海外の作品は、劇場公開だけでなくテレビ局やビデオメーカーにプロモーションされ、日本国内の地上波や動画配信サービスで放送されたりDVD化されて販売されたりします。

海外の映画の場合、劇場公開されずにDVD販売のみという作品も多くありますが、そういった場合は劇場公開権は購入していないということになりますね。

配給会社の主なお仕事

配給会社の主なお仕事は、製作者と興行(映画館)との橋渡しなのですが、上映してもらう映画館を探したり、映像データを現像して送ったり、映画の宣伝をしたりと、お仕事は多岐にわたります。

映画の宣伝

映画の宣伝も配給会社の大事なお仕事なのですが、宣伝部門がない配給会社もあり、その場合は宣伝を請け負う会社に委託します。

主な宣伝の内容は、予告の製作、特別鑑賞券(前売り券)の製作・販売・管理などが挙げられます。

興行収入の集計

映画が公開されると、その映画を上映した各映画館が動員人数や映画の収入を集計し、それを配給会社が集計し発表します。

これを興行収入と言います。

以前は配給収入を発表していましたが、2001年度からは全世界共通の興行収入を発表するようになりました。

配給収入については「配給会社の収益はどこから出てるのか」をご覧ください。

字幕・吹替・レイティングの申請

意外にも、字幕や吹き替え、レイティングの申請も配給会社のお仕事なんです。

※レイティングとは、映像倫理機構が定めた映画を視聴する年齢制限のこと

 

とはいえ、邦画の場合は字幕や吹き替えは必要ありませんし、レイティングの申請は製作者が撮影のプロセスとして申請するので配給会社は関わりません。

日本のレイティングシステムでPG12やR15+指定になるかならないか、過激な演出や表現を調整するのは製作者です。

レイティングシステムに引っ掛かるからこの表現は削除する、逆にこの作品はR15+指定でないと作れない、というようなやり取りがあったという話しもよく聞きますよね。

邦画はこの作業をしながら映画を製作していくので、製作のプロセスにレイティングの申請が組み込まれているということです。

 

対して洋画は、すでに製作された映画を配給会社が購入して日本国内に配給するので、日本に合わせた字幕や吹き替えを作成し、日本のレイティングシステムにかけて審査してもらう必要があります。

レイティングシステムは国によって基準が違い、アメリカでは指定がなくても日本ではR15+指定が付いたり、その逆もあったりしますので、買い取った配給会社が責任をもって申請を出すということになるんですね。

※詳しくは「”R15+”や”PG12”などのレイティングシステムの定義について」をご覧ください。

自主映画での配給例

個人が自費で製作した映画は、日本では自主映画と呼ばれることがほとんどですが、アメリカではインディーズ映画やインディペンデント映画と呼ばれています。

有名な作品に「カメラを止めるな」や「ブレアウィッチプロジェクト」「スターウォーズ(新三部作)」などが挙げられます。

 

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「カメラを止めるな」は監督&俳優養成スクールのENBUゼミナールが作った自主製作映画で、初めはENBUゼミナールが配給を行っていましたが、SNSで話題になるやいなや配給会社のアスミックエースが手を挙げ、全国200館以上の映画館で上映された結果、製作費300万円に対して興行収入が30億円を超えるという大ヒットとなりました。

自主製作 → 自主配給 → SNSで話題沸騰 → 配給会社の目に留まる → 全国公開 → 大ヒット

 

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「スターウォーズ(新三部作)」は超大作で莫大な製作費がかかるのにも関わらず、自由に映画を撮りたいという理由から、全てジョージルーカスのポケットマネーで作り上げられた「世界で最も贅沢なインディーズ映画」と言われています。

1作目の「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」は、レゴブロックのレゴやペプシコーラのペプシコなどとライセンス契約を結び、配給会社とも契約を交わし、宣伝・広告費として2000万ドルもの大金を注ぎ込んだ結果、約1億ドルの製作品に対して興行収入が10億ドルを超える大ヒットとなりました。

自主製作 → 配給会社と契約 → 世界で公開 → 大ヒット

 

どちらの映画も、配給会社を通すことで国内にとどまらず世界に作品を発信して劇場公開を実現しています。このように、配給会社とは「映画をヒットさせるためになくてはならない大事な存在」です。

配給会社の収益はどこから出てるのか?

配給会社の収益は興行収入の50%ほど、残りの50%は興行部門に渡ると言われています。

この収入のことを配給収入と言います。

 

日本で製作された映画の場合、この配給収入から手数料や宣伝費などの経費を差し引いた額が製作者に支払われます。

という訳で、邦画の場合は手数料が配給会社の利益となります。

反対に洋画の場合は、劇場公開権やテレビ放映権、ビデオグラム化権などの様々な権利を配給会社が購入してから国内に配給しているので、製作者に配給収入を渡す必要がありません。

なので、洋画の場合は配給収入全てが配給会社の収入となります。

 

洋画を国内で配給する権利がいくらするのか見当もつきませんが、劇場公開権を購入しても公開してくれる映画館がなかったり、公開しても動員数が少ないと赤字になってしまう・・・。

でも、この作品を日本のファンの皆様にお届けしたいからDVDの販売だけでも・・・。

日々こんな葛藤が繰り返されてるのでしょうね。

 

配給会社のバイヤーさんや営業さんって、大きな額の商品(映画)を扱うだけあって、作品選びや権利の購入、プロモーションやセールスなど、華やかな仕事に見えますが、赤字を出さないように帳尻合わせるのが大変そうですよね。

って、働いたことないので、配給会社の社員さんの本当のところは分かりかねますが・・・。

配給会社/名称&代表作一覧

超有名/大手配給会社

誰もが知っている会社名ばかり。大手配給会社の一覧です。

扱う作品は大ヒット確実なA級作品がメインで、莫大な宣伝費がかけられ、興行収入ランキングに乗るような作品がメインです。

●ソニーピクチャーズエンタテインメント
スパイダーマン
ヴェノム
イコライザー
SPEはソニーピクチャーズエンタテインメントの略称
●ウォルトディズニージャパン
パイレーツオブカリビアン
ファンタジー
アナと雪の女王
傘下は20世紀スタジオ、ピクサー、マーベルなど
●20世紀スタジオ
アバター
タイタニック
ボヘミアン・ラプソディー
インデペンデンス・デイ
2019年ウォルトディズニーカンパニーに買収され傘下の子会社に
●UIP
E.T
バックトゥザフーチャー
ジュラシック・パーク
ハムナプトラ
ワイルド・スピード
CICはUIPの改名前の名称

ロンドン本社の組織改編により日本支社は2007年に解散

●ワーナーブラザースジャパン
アウトレイジ
るろうに剣心
サマーウォーズ
グレムリン
エクソシスト
ハリーポッター
ブラザーズではなく、ブラザースが正式名称
●松竹
男はつらいよ
釣りバカ日誌
REX 恐竜物語
機動戦士ガンダム
空飛ぶタイヤ
2002年まで「REX 恐竜物語」が松竹の興行収入1位
●東映
トラック野郎
時をかける少女
魔女の宅急便
相棒
ONE PIECE
ぽっぽや
 
●東宝
ゴジラ
ルパン三世 カリオストロの城
リング
踊る大捜査線
ALWAYS 三丁目の夕日
HERO
●日活
ひとよ
今日も嫌がらせ弁当
ヒメアノール
凶悪
GANTZ
DEATH NOTE

映画好きは知っている/中堅配給会社

有名だけど巨大企業ではなかったり、大企業の子会社だったり・・・そんな配給会社を集めました。

中堅の配給会社になってくると、邦画というより洋画がメイン、そしてマニアックな映画を扱う会社も多くあります。

●アスミックエース
劇場版おっさんずラブ~LOVE or DEAD
人間失格 太宰治と3人の女たち
ヘルタースケルター
トランスポーター
ソウ
自主製作映画「カメラを止めるな」の共同配給会社
●ギャガ
マスク
セブン
ハンニバル
キルビル
新感染半島 ファイナルステージ
初配給作品は「死霊の盆踊り」
●クロックワークス
悪人伝
幼い依頼人
スケアリーストーリーズ 怖い本
エクストリーム・ジョブ
●ショウゲート
戦場のピアニスト
デス・ウィッシュ
バイオ・ハザード
メメント
インシディアス
●東宝東和
怪盗グルーの月泥棒
レ・ミゼラブル
6才のボクが、大人になるまで。
ジュラシック・ワールド
クワイエット・プレイス
ロケット・マン
東和ピクチャーズは東宝東和の子会社
●ファントムフィルム
ミッドサマー
アナベル 死霊人形の誕生
ピエロがお前を嘲笑う
渇き
●ロングライド
サンドラの小さな家
ナイブズ・アウト
デッド・ドント・ダイ
パブリック図書館の軌跡
パターソン
ミッドナイト・イン・パリ
●アルバトロス
シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション
守護教師
シャークネード
シンクロナイズドモンスター
アメリ
●ムービーアイエンタテインメント
アドレナリン
デイ・オブ・ザ・デッド
ミリオンダラー・ベイビー
2009年倒産
●ビターズエンド
女優霊
共喰い
パラサイト 半地下の家族
 

知る人ぞ知る/マイナー&独立系配給会社

映画好きでも知らない会社名だったり、代表作でも知らない作品だったりすることがある、小さな独立系の配給会社です。

2021年現在、倒産や破産をしてすでになくなってしまった会社も載せています。

●アップリンク
トム・アット・ザ・ファーム自社の映画館を持つ配給会社
●アニープラネット
アウェイ・フロム・ハー 君を想う
ママが泣いた日
●オンリーハーツ
ココ・シャネル 時代と闘った女
アランフエスの麗しき日々
●キネティック
シュリ
TAXi
キックアス
カルチュアパブリッシャーズと合併後、カルチュアエンタテインメントが買収
●キュービカルエンタテインメント
パンズ・ラビリンスコムストックは変更前の名称、カルチュアエンタテインメントが買収
●クレストインターナショナル
未来よ こんにちは
ベニスに死す
●ケイブルホーグ
ファンタスティック・プラネット2005年倒産
●サジフィルムズ
モンパルナスの灯
ファンタスティック・プラネット
●ザナドゥー
ムトゥ踊るマハラジャ
呪怨
2009年、夜逃げ同然で倒産
●シネカノン
パッチギ!
フラガール
JSA
2010年破綻
●ゼアリズエンタープライズ
恋するトマト
●セテラインターナショナル
ニューヨーク 親切なロシア料理店
去年マリエンバートで
今さら言えない小さな秘密
●フランス映画社
ミツバチのささやき
ストレンジャー・ザン・パラダイス
2014年倒産
●プレノンアッシュ
処女
ジョヴァンニ
ブエノスアイレス
2013年倒産
●ミラクルヴォイス
ロッタちゃんのはじめてのおつかい
ロッタちゃんと赤い自転車
●メディアスーツ
無問題
トワイライトシンドローム 卒業
2006年、日活に買収され子会社となる
●ワイズポリシー
奥サマは魔女
ブロークバック・マウンテン
タロットカード殺人事件
2009年破産、2012年倒産
●パンドラ
365日のシンプルライフ
ゆずり葉の頃
●トランスフォーマー
異端の鳥
娘は戦場で生まれた
ムカデ人間
武器人間
●プレシディオ
フューチャー・ワールド
セル
アトラクション 制圧
●ツイン
サーホー
神と共に 第一章罪と罰
ザ・フォーリナー/復讐者
新感染ファイナルエクスプレス
●彩プロ
ファイティン
ロンドンゾンビ紀行
密偵
バーニートムソンの殺人日記
●ファインフィルムズ
インフェクション感染
ミスティック・アイズ
アンダー・ザ・スキン種の捕食
ヘルレイザー:レベレーション
●ブロードメディアスタジオ
RECレック
コン・ティキ
ミスト
完全なる報復
ポリスストーリー/レジェンド
動画配信サービス「クランクイン!ビデオ」の運営会社
●エスパース・サロウ
フランシス・ハ
疾風スプリンター
エスパース・サロウは、新日本映画社の配給名

2000年以降に設立された配給会社

まだまだこれから!設立間もない配給会社一覧です。

配給会社は映画界になくてはならない存在ですが、現在は新型コロナの影響でどこも厳しい状況です。

みんなで応援しましょう!!

●インターフィルム
ゾンビーバー
388
最高のともだち
デスカッパ
2000年設立
●ミッドシップ
ムーランー戦場の花ー
オペレーションローグ
ノー・イグジット
アンフレンテッド
2008年設立
●ムーリングプロダクション
緑の牢獄
犬は歌わない
2019年設立
黄インイク監督作品、沖縄・台湾作品中心
●ハーク
ゴールデンスランバー
模倣霊
ダブルサスペクト
2001年設立
ツイ・ハーク監督作品中心
●ギグリーボックス
天外者2019年設立
●東風
311
サンタクロースをつかまえて
リヴァイアサン
共犯者たち
2009年設立
●日本イタリア映画社
最初で最後のキス2016年設立
●ミモザフィルムズ
天空の結婚式
うまれる、ずっと、いっしょ
修道士は沈黙する
グッドワイフ
2011年設立
●コピアポアフィルム
コップ・カー
セブンシスターズ
イザドラの子どもたち
2012年設立
●キュリオスコープ
ソラから来た転校生
コメット
アイ・アム・ザ・ブルース
2010年設立
●ドマ
ブータン山の教室
子どもが教えてくれたこと
2009年設立

配給会社ってなに?/まとめ

配給会社についてまとめましたが、映画業界においての配給会社の役割や大切さ、分かってもらえましたか?

独立系の小さな配給会社の中には、2009年前後に破綻や倒産、買収などでなくなってしまった会社も多くありました。

しかし、2000年以降も続々と新たな配給会社が設立されています。

新型コロナウィルスの影響が続く中、映画業界はどこも厳しい状況が続いていますが、どうにかこうにか堪えている会社も多くあると思います。

映画好きとして、協力できることはしていきたいですね

ということで、「配給会社について」でした(o*。_。)oペコッ

この記事を書いた人
乙花はる

クソ真面目なA型で引きこもりがちで妄想好き。
邦画・洋画・ジャンル問わず見ますが、恋愛・青春・学園の3拍子揃ったものは苦手。
特に好きなジャンルはパニック・ゾンビ・ホラー・アクション・SF。
B級映画愛好家で、アサイラム製映画を好む傾向にある。
愛猫家で多頭飼い歴ウン十年。
コーヒーマシンマニアで、好きなメーカーはLA CIMBALI、De'Longhi、ELEKTRA。

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